１１.７　特性論

特性論者は、すべての人が特定の特性trait、つまり特徴的な行動様式を持っているというアプローチによって、個性を理解できると考えています。

社交的か、シャイか。消極的か、積極的か。楽観的か、悲観的か。気分屋か、落ち着いているか。初期の特性理論家は、人間のすべての性格特性を説明しようとしました。例えば、特性理論家の一人であるGordon Allportゴードン・オルポートは、英語の中から、人を表すことのできる単語を4,500語見つけました(Allport & Odbert, 1936)。Allportは、これらの性格特性を「枢要的特性」「中心的特性」「副次的特性」の3つに整理しました。例えば、スクルージ（『クリスマス・キャロル』の登場人物）の貪欲さやマザー・テレサの利他主義のように、枢要的特性は、その人の人格全体、ひいては人生を支配するものです。枢要的特性はあまり一般的ではなく、一つの特性に支配された性格を持つ人はほとんどいません。その代わりに、私たちの個性は複数の特性で構成されています。中心的特性とは、私たちの性格を構成するものです（忠実、親切、好意的、友好的、卑劣、野生的、不機嫌など）。そして副次的特性とは、中心的特性ほど明白ではなく、一貫性もないものです。特定の状況下で見られるもので、好みや態度などが含まれます。例えば、ある人はくすぐろうとすると怒るし、ある人はベッドの左側でしか寝られないし、またある人はサラダのドレッシングをいつもサイドにかけるように注文します。また、普段はあまり心配性ではないのに、英語の授業でスピーチをする前に緊張してしまうようなことも挙げられます。

Raymond Cattellレイモンド・キャッテル（1946,1957）は、特性のリストをより扱いやすいものにするために、171の特性に絞りました。しかし、ある特性があるかないかというのは、その人の個性を正確に反映しているとは言えません。というのも、私たちの個性はすべて同じ特性で構成されており、それぞれの特性がどのように表現されているかという点でしか違いがないからです。

Cattell(1957)は、性格の16の要素、すなわち、warmth親近, reasoning推理, emotional stability適応, dominance支配, liveliness躍動, rule-consciousness規則, social boldness大胆, sensitivity感度, vigilance警戒, abstractedness抽象, privateness隔絶, apprehension,懸念 openness to change変革, self-reliance自立, perfectionism完璧, そして tension緊張を見出しました(表11.5)。

彼は、この16因子をもとに、16PFと呼ばれる性格診断を開発しました。性格は、「あるかないか」ではなく、高いものから低いものまで連続的に点数化されています。例えば、親近のレベルは、あなたがどれだけ他人に対して暖かく、思いやりがあり、親切であるかを表しています。この指標のスコアが低い場合、あなたはより遠くにいて冷たい傾向があります。この指標のスコアが高ければ、あなたは支えになり、慰めになることを意味します。