7 思考と知能 要約版

00 要約版

7.1 認知とは何か?

認知心理学は、認知、すなわち思考、知覚、計画、分析、および記憶する脳の能力に関する研究分野です。概念とそれに対応するプロトタイプは、新しい情報を分類するためのカテゴリーを作ることで、思考を素早く整理するのに役立ちます。また、私たちは、関連する概念の集まりであるスキーマを発達させます。スキーマの中には、思考や行動のルーティンを含むものがあり、これらのスキーマは、様々な状況において熟考することなく、適切に機能するのを助けてくれます。スキーマは、社会的な状況や日常的な行動のルーティンに現れます。

7.2 言語

言語とは、語彙目録lexicon(レキシコン)と文法体系を併せ持つコミュニケーションシステムです。言語習得は人生の初期段階で自然かつ容易に行われ、この習得は世界中の個人にとって予測可能な順序で行われます。言語は思考に強い影響を及ぼします。言語が認知にどのように影響するかという概念は、心理学の研究および議論の分野として残っています。

7.3 問題解決

問題を解決するためには、様々な方略が存在します。典型的な方法としては、試行錯誤、アルゴリズムの適用、ヒューリスティックの利用などがあります。大規模で複雑な問題を解決するには、問題を小さなステップに分割して、個別に達成できるようにし、全体的な解決に導くことがよくあります。問題解決の妨げとなるものとしては、心的構えmental set機能的固定functional fixedness、意思決定能力を鈍らせる様々なバイアスなどがあります。

7.4 知能とは何か?創造性とは何か?

知能は、認知の複雑な特性です。知能とは何か、そしてそれがどのように働くのかを説明するために、多くの理論が開発されてきました。スタンバーグは知能の鼎立理論を生み出したのに対し、ガードナーは知能はより多くの要素から構成されると考えています。また、感情的な知能の重要性に注目する人もいます。最後に、創造性は知能の一面であるように思われますが、客観的に測定することは極めて困難です。

7.5 知能の測定法

知能検査はビネから本格的に始まり、その後ウェクスラーによってWAIS-IV、WISC-Vという現在も使われている知能検査が開発されました。ベル曲線は、平均的な知能を包含する得点の範囲と標準偏差を示したものです。知能検査がどの程度有効で、どのように利用するのが良いのかについて、議論が続いています。

7.6 知能の源

遺伝と環境は、知能や特定の学習障害に影響を与えます。すべての人の知能レベルは、幼少期の環境における豊かな刺激から恩恵を受けるようです。しかし、高い知能の人は、彼らの生い立ちにおける困難な障害を克服することを可能にする弾性力(レジリエンス)を持っているかもしれません。学習障害は、読み書きを学ぶ子どもたちに大きな困難をもたらすことがあります。発達障害とは異なり、学習障害は厳密に神経学的なものであり、知能レベルとは関係ありません。例えば、ディスレクシアdyslexia(失読症)の生徒は、読むことを学ぶのに非常に困難があるかもしれませんが、彼らの知能レベルは、一般的に平均かそれ以上です。

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