9 生涯発達 要約版

00 要約版

9.1 生涯発達とは?

生涯発達は、受胎から死亡まで、私たちがどのように変化し、成長していくかを探るものです。この分野の心理学は、発達心理学者によって研究されています。彼らは発達を、身体的発達、認知的発達、心理社会的発達という3つの領域にわたって科学的に研究できる生涯のプロセスとしてとらえています。発達にはいくつかの理論があり、発達が連続的か不連続的か、発達は一つの過程をたどるのか多くの過程をたどるのか、発達における生まれと育ちの相対的影響力、といった問題に焦点を当てています。

9.2 発達理論

赤ちゃんや子供がどのように成長し、幸せで健康な大人になるかについては、多くの説があります。ジークムント・フロイトは、人は一連の心理的段階を経て、身体の特定の性感帯にエネルギーを集中させることを示唆しました。エリク・エリクソンはフロイトの考えを修正し、心理社会的発達理論を提案しました。エリクソンは、社会的相互作用と社会的課題の成功が自己の感覚を形成すると述べています。ジャン・ピアジェは、認知発達の理論を提唱し、子どもがさまざまな段階を経て、どのように思考し、推論するかを説明しました。最後に、ローレンス・コールバーグは、道徳的な発達に注目しました。彼は、私たちは認知の発達を基礎として、3つのレベルの道徳的思考を通過すると述べました。

9.3 発達段階

受胎すると、卵細胞と精細胞が結合して接合子zygoteが形成され、急速に分裂を開始します。これが、約2週間続く出生前発達の第一段階(卵体期germinal stage)の始まりとなります。その後、接合体は子宮の内膜に着床し、約6週間続く出生前発達の第二段階(胎芽期embryonic stage)の始まりとなります。胚は体や器官の構造を発達させ始め、後に脳や脊髄となる神経管が形成されます。出生前発達の第三段階(胎児期fetal stage)は9週目に始まり、誕生まで続きます。この段階では、身体、脳、臓器が急速に成長します。妊娠のすべての段階において、親が自分自身と発育中の赤ちゃんへの健康リスクを軽減するために、出生前ケアを受けることが重要です。

新生児の体重は約3.0kg(アメリカでは3.4kg程度)です。医師は、新生児の吸啜反射、探索反射、モロー反射などの反射を評価します。私たちの身体的、認知的、心理社会的スキルは、乳幼児期から成人期後期までの発達段階を経て、成長し変化していきます。乳幼児期の愛着は、健全な発達に欠かせない要素です。子育てのスタイルは、子供時代の幸福の結果に影響を与えることが分かっています。青年期から成人期への移行は、成人期を迎えるまでの期間が長くなることや、思春期のタイミングによって、困難が伴うことがあります。身体的な衰えは成人期中期に始まりますが、認知的な衰えはそれ以降に始まります。身体と心を活発にする活動は、年齢を重ねても身体と認知の健康を維持するのに役立ちます。家族や友人を通じた社会的支援は、年齢を重ねても重要です。

9.4 死

死は私たちの人生の終着点です。死に直面したとき、私たちはさまざまな反応を示すかもしれません。キューブラー・ロスは、このプロセスを説明する方法として、悲しみの5段階モデルfive-stage model of griefを開発しました。死に直面する多くの人は、最後の日々を快適な環境の中で過ごすことができるホスピスケアを選択します。

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